「皇族に婚姻の自由はあるのか」リベラル化する君主制を考える――君塚直隆(関東学院大学教授)【佐藤優の頂上対決】

「皇族に婚姻の自由はあるのか」リベラル化する君主制を考える――君塚直隆(関東学院大学教授)【佐藤優の頂上対決】
9/21(火) 5:55配信
デイリー新潮
https://news.yahoo.co.jp/articles/279895076bce71b4bcf0dbfe9b8a57981018a8eb?page=1

(前略)
女系容認か、男系維持か

佐藤 そこには女性宮家や女性天皇、女系天皇などの問題が絡んできます。君塚先生は、5月に「安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議」からヒアリングを受けられましたね。

君塚 そこでは、日本の歴史はもちろん大切ですが、やはり男系男子でやっていくことは難しい、それはヨーロッパの歴史が物語っているという話をしてきました。

佐藤 側室制度のないところで、男系を維持するのは困難ですが、もう作れませんからね。

君塚 大正天皇以来、一夫一婦制でしたし、側室を作れる時代ではありません。ヨーロッパも一夫一婦制でやってきて、男系男子では無理があることは、はっきりしています。あのハプスブルク家でさえも、マリア・テレジア以降は、男系ではなく女系男子になっています。だからまずは女性天皇、そして女系になっていくのは、ヨーロッパの歴史を見ても、生物学的にも、そして何より国民からの理解という点においても、必然の流れだと思います。

佐藤 実は私は男系維持の方に傾いているのですが、なぜかといえば、このシステムの中に女系が入ってくる理屈が人権の思想だからです。人権の思想を皇室に入れた場合、それが部分で済むのかという問題があります。

君塚 そのご懸念はよくわかります。

佐藤 婚姻の自由があるのだったら、表現の自由はどうか、学問の自由はどうか。さらに言えば政治の自由はどうか、と広がっていきかねない。その時、どうするのか。もともと非合理なシステムですから、どこか部分的にでも合理的なことを入れると、かなり速いスピードで制度が溶解していくと思います。だから非合理なものは非合理なままにしておいたほうがいいと考えているのです。

君塚 よくわかります。そうすると現実的な対処法として、佐藤さんは旧宮家の復帰をお考えですか。

佐藤 いや、そうではないですね。これは非常に無責任な言い方かもしれませんが、明日できることは今日考えない。

君塚 なるほど。

佐藤 ギリギリの状況になったところで、とりあえずは緊急避難的に女帝を認め、女系を容認するのか、男系を維持して旧皇族を宮家に戻すのかを考える。まあ、一種の神風主義ですけれども。

君塚 この間のヒアリングで、私は有識者の方々に対して確認テストをやってみたかったんですよ。天皇家、秋篠宮家の方々のことは、みなさん、わかるでしょう。でもほかの皇族方がおいくつで、どんな公務を担って、どのような問題に関心があるのか、それをご存知ですか、と聞いてみたかった。

佐藤 答えられないでしょうね。

君塚 とすれば、現在の皇族についてさえ知識がない中で、70年以上前に臣籍降下された方々が急に戻ってこられても、国民がついていけないと思うのです。

佐藤 実は日本は、沖縄以外、血統をさほど重視していないんじゃないかと思います。私は母が沖縄の久米島出身ですが、沖縄はもともと長子相続で、養子は家督を相続できません。イギリスの社会学者アンソニー・スミス流に言えば、血統的ナショナリズムがある。これに対して、他の地域には養子の制度が根づき、その家督も相続できます。沖縄のような血統的ナショナリズムがあれば、天皇制は簡単に溶解しないと思いますが、もともと血統にこだわらない場所なら簡単になくなってしまう。これからどのような選択をするにせよ、大きな賭けになると思いますね。

君塚 そもそも国民の大半は、この問題に興味を持っていないのではないかと思います。それは、皇室が国民から遠すぎるからですよ。

佐藤 話題になるのは、眞子さまと小室圭さんの結婚問題だけですね。

君塚 このままでは祝福された結婚は難しいでしょうし、結婚されて小室さんが皇族の一員になるなら、反対する人が数多く出てくるに違いない。そうすると、皇室への支持が失われ、ますます国民と皇室との距離ができてしまう。

佐藤 でももしも、小室さんが帰国して、愛を貫くとか、持参金はいらない、その代わり結婚式をするためにクラウドファンディングすると言い出したら、簡単に10億円くらい集まってしまうんじゃないかとも思うんですよ。

君塚 そういう可能性もあります。ただこれまでの言動を見る限り、小室さんには皇室や国民に対する敬意や誠意が感じられない。皇室に対する理解と覚悟を欠いたまま婚約してしまっているのです。この点はイギリスのヘンリー王子とメーガン妃に通じるものがあります。

佐藤 小室さんとそのご母堂の登場は、皇室を根本から考え直すきっかけにはなりますね。

君塚 まずは皇室と国民の距離を縮めることが重要です。小室さん問題以前に、眞子さまは日頃何をされているのか。国民はその活動を知り、また皇族の方々は公務を増やして国民との接点を作っていく。それこそがいま、求められていることだと思います。

君塚直隆(きみづかなおたか) 関東学院大学教授
1967年東京都生まれ。立教大学文学部卒。英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジに留学、上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。東京大学客員助教授、神奈川県立外国語短期大学教授などを経て現職。著書に『立憲君主制の現在』『悪党たちの大英帝国』『現代世界の陛下たち』(編著)など。

「週刊新潮」2021年9月16日号 掲載



君塚先生は、皇室のご公務を、現在の何倍、何十倍にも充実させようという、公務員が聞いたら大喜びする提案をしているのだが、国民のほうは皇室の汚職腐敗にうんざりしていて、「お手振りご公務は廃止へ」「名誉総裁で非課税年収600万円は止めろ」という批判が渦巻いている。

秋篠宮家は、民意に逆らってマコケイ結婚に突っ走っている最中だが、接点を失った皇室・国民関係を再建するプランを持っていなさそうなので、冷ややかな目で観察しているところ。

お手振りご公務を止めてもらいたいと思う人は、「官邸 ご意見」に投書しよう。

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