韓国 ニュースを見ても過去の話ばかりで、未来の話は天気予報だけ

【コラム】なぜ韓国人は1990年代を懐かしむのか
朝鮮日報
2019/06/02 06:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/05/31/2019053180146.html

 ラジオのある深夜番組のリスナーから「自分は2000年生まれなのだが、一日でよいから1990年代に暮らしてみたい」というメッセージが寄せられた。その時代を生きた者にとっては、パソコンのデータ通信がのろくて、週に休みは1日だけで、レモン焼酎を飲んでいたあの時代の何が良いのかという気もする。ただ、当時はきょうよりはあす、今年よりは来年が良くなるという確信があった。通貨危機前まで雇用はほぼ毎年50万人ずつ増え、経済が6-7%成長を続けていたので活気もあったと言える。

 1990年代がうらやましがっているのは青年たちだけではない。働き盛りの40代半ばの人たちにも90年代に帰りたいと話す人が少なくない。財テクをして、豊かに暮らそうという期待が可能だった時期だからだ。経済の活力が低下した現在、給与労働者が金持ちになることは本当に難しくなった。中産階級の財テクの代表的な手段だった不動産分譲市場で最近「チュプチュプ族」という新語が流行している。「チュプ」には韓国語で「拾う」という意味があり、マイホームを実際に必要としている人が金融引き締めでローンを組めなくなる中、市場で新築物件を拾っていく富裕層を指す言葉だ。40代半ばのAさんは「20年積み立ててきた住宅請約通帳(積立口座)で分譲物件を購入しようとした。ところが、政府は不動産投機を阻止するためとして、9億ウォン(約8600万円)を超えるマンションの中途支払金に対する融資を禁止した。その結果、9億ウォン以下の物件に投機が集中し、競争率が上がった。政府は庶民層のマイホーム取得を支援すると言っていたではないか」と憤った。

 1990年代に「世界一流」というスローガンを叫んでいた企業は政府、労組の顔色をうかがい、やる気を失っている。保険会社B社の役員は「一般採用はよほどでなければ実施しない。非正社員を(労組の)顔色を見ながら増やしているというのに、60歳までどうやって責任を持てるのか。早くロボットを開発して使ったほうがましだ」と話した。IT系大企業の幹部は「ニュースを見ても過去の話ばかりで、未来の話は天気予報ぐらいしか見当たらない。世界の企業は全速力で走っているのに、過去の清算はそれほど重要なことなのか」と漏らした。

 「革新の伝道師」と呼ばれるハーバード大のクレイトン・クリステンセン教授は著書「繁栄のパラドクス」で韓国を成功事例として紹介している。サムスン、ポスコなど韓国企業が良い例として登場すると誇らしい。しかし、韓国の「奇跡」はK-POPなどを除けば、1990年代の話だ。クリステンセン教授は繁栄を「より多くの人々が経済、社会、政治的な幸福を増進させる過程」と定義する。そこには程遠いと感じる。

 先月休暇で東京の空港に降り立つと、「ディス・ウェー・プリーズ」「ハブ・ア・ナイス・デー」といった具合に以前はあまり聞かなかった英語が聞こえてきた。東京五輪を控え、英語を練習する高齢者には活気があふれていた。米国は連日、時価総額数十兆ウォンのIT企業による株式上場のニュースで沸いている。韓国ではまだ導入さえできていないカーシェアリング関連の企業であるリフトやウーバーもそこに含まれていた。昨年米国で研修を共にした中国人の友人は数日前、電子メールを送ってきた。自分たちが開発したモニターに10分間で10万ドルの投資が集まり、韓国にも輸出することになったのだという。友人は中国で4日に1社のペースで誕生するユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の企業)を夢見る。韓国政府は外部要因が韓国経済低迷の主犯だというが、海外ではそれぞれが成長にまい進しているように思える。それに対し、韓国には何があるだろうか。

 「2000年の力強い経済のために!再び飛躍しよう、コリア!」--。これは1997年の公共広告のフレーズだ。そんな闘争精神が懐かしい。成長率が急低下してもなお、大統領は「経済の基礎体力は強固だ」と話す。青瓦台は良い経済指標を周知する広報特別チームの設置するという。まるで90年代に韓国で流行した「沙悟浄シリーズ」のようにしらけたギャグだ。

キム・シンヨン経済部次長

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