シリア財務大臣:どこからも金融支援を受けていない

Russia Today Arabicがシリア財務相にインタビュー。財務相は、5月25~26日にモスクワで開催される、シリア・ロシア貿易・経済協力・技術・科学合同会議(シリア・ロシア経済協議)のシリア側団長として、モスクワを訪問している。

(非常に長いインタビューだが、過去に何度か報告した内容と重複する部分も多いので、以下は目新しい発言のみ。)

過去に締結した協定のフォローアップ。シリアにおいてロシア企業が参加するエネルギーと灌漑分野の新プロジェクトの設立。参加形態は、直接投資または合弁または民間同士の直接契約。科学分野の協力、ロシアでのシリア人研修。定例会で通常取り上げる議題について協議する。

実質経済成長率は6~7%が望ましいが、2011年には1%だった。2012年には、さらに低下するだろう。成長低下は、国家レベルのみならず、個人レベルにも影響する。

EUと米国が課した経済制裁は、シリア経済のみならず、市民の所得にも影響している。基礎物資が不足し、物価が上がる。政府は対策を取っているが、危機が長引けば、さらに悪化する。

ほとんどの物資の自給率は90%であり、必要物資の確保も何とかなっているため、経済崩壊という事態には陥っていない。例えば、医薬品自給率は90%(注:93%)である。残りは、友好国から輸入することができる。

我々は農産物も自給している。例えば小麦は内需を満たしており、輸入していない。逆に大量に貯蔵している。農産物の種類も多様で、過去には近隣アラブ諸国に輸出していた。

海外から投資を呼び込むため、BOT方式を積極的に採用するなどの方策を講じた。しかし、治安が回復しないことには投資は増えないので、治安回復が重要だ。

外国為替市場でシリポンを買い支える(=ドルを売る)のに、外貨準備を使っていない。外貨準備とは別に、過去に余剰外貨を積み上げた為替調整基金があり、それを使っている。

一時、シリア人が一斉に資産をドルに変えて送金したので、対ドル・レートが跳ね上がったが、その後は落ち着き、過去1ヶ月は対ドル闇レートは68~70の間で安定している。シリアは近隣諸国と比べ、GDPに占める対外債務の比率が低いことも、幸いしている。

金準備売却のニュースは、真実ではない。シリアの外貨準備の全額が、いくつかの友好国に置いてあり、(金を)1gも売っていない。シリアの外貨準備は、15ヶ月以上(注:原文のすぐ次の文で「2年以上」と発言している)の輸入を賄うことができる。労働者送金が減っているのは、シリア危機の影響というよりも、世界的な金融危機の影響だ。

イラン、ベネズエラ、その他からの援助が報道されているが、我々は、友好国・非友好国を問わず、金融支援を依頼していないことを強調したい。前の記事

家庭用ガスについては危機(品薄)が発生している。貯蔵施設に十分な量が確保されている。どの国でも、国民一人ひとりが2本、3本と余分に買えば、危機が発生する。ディーゼル燃料とガスの危機は、あと10~15日もすれば解決するだろう。

心理戦・情報戦でシリア国民の間に不安を掻き立て、それに外為市場参加者の思惑が拍車を掛け、24時間で対ドル闇レートが80から105になるまでシリポンを売り込んだが、(中銀は)そのような対策に外準を注ぎ込まない。中銀は、日々の需給に対して外貨を融通するが、まとまった金額を市場で売ることはない。現在では、資産を外貨に換えて持ち出した人たちが、再びシリポンに換金して国内に戻している。

国家予算その2)については、歳入は減ったが、経済効果を考慮して開発予算は確保した。その他の要因も含め、為替レートは68~69を上限に安定すると見込んでいる。公定レートについては、近隣諸国における交換レートの範囲に収めている。現在の公定レートは、63~64で、経済の現状を反映している。

(シリポンが弱いと、小麦の輸入その2)に影響するのでは?との質問に対し、)我々は、小麦を輸入していない。生産量は内需を満たしている。シリアでは高品質のデュラム小麦を生産しており、その一部を輸出し、代わりにパン製造用の軟質小麦を輸入している(注:差額をシリアの外貨収入にしているのであって、足りなくて輸入しているのではないと言いたいらしい)。小麦輸入の問題に直面していない。

貿易決済には様々な手法があり、米国が全てを禁止することはできない。既存の金融システムを使った決済方法、友好国を介してバーター取り引きをしたり、別の手法で決済する方法などがある。

トルコ・レバノンから、密輸ルートでシリアに持ち込まれるテロ支援資金の実態は、掴めていない。先日も、大量の外国(57万ドル相当の湾岸アラブ)紙幣を押収したばかりだが、それが全てではない。

政権政党とは異なる政策を掲げる反体制派は、世界中のどの国にもいる。問題なのは、外国から支援され、破壊活動を行う集団がいることだ。残念なことに、いくつかのアラブ諸国が、彼らに資金・武器を援助している。そのような国が、シリア政府との間で仲介役を果たすことに反対する。

こうした動きで一番メリットを受ける国はどこかと探してみると、イスラエルである。イスラエルは、どのアラブの国に対しても戦争を仕掛ける必要性がなくなった。どの国も内政で手一杯だからだ。

シリアは安保理決議にコミットしており、良い結果がもたらされることを期待している。我々は、アナン特使と安保理に対し、愛国的でない反体制派に対し武器・資金支援をしている国々に、圧力をかけるよう要請する。

シリアのロシア製兵器購入の金額は、前年度を超えない範囲だ。

5月25日付け記事。
http://arabic.rt.com/prg/telecast/657354/
http://www.sana.sy/eng/22/2012/05/24/421267.htm

・・・ガス危機はあと15日続くのかぁ。

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