ウクライナ人社会学者が語るゼレンスキー政治の実態
ハルコフ出身ウクライナ人の社会学者Olga Baysha(著書)の考察。
国土西端のウクライナ民族主義と東端のスラブ人という対比がよくなされるが、国民の大半は経済問題に関心がある。1991年にウクがロシアと政治的に離婚し独立したとき、皆が将来の経済的発展に期待した。しかし蓋を開けてみたら、新自由主義、市場経済、ソビエト時代の社会福祉システム破壊により、人々の経済状況は悪化した。ゼレンスキーが実行した土地改革(土地の私有化)には72%が反対。全ての改革は、ウクライナ国民のためでなく、外国のグローバル化勢力のためだった。
大統領当選時(2019年春)のゼレンスキー支持率は73%、ロシア侵攻直前の2022年1月の支持率は31%まで低下。ハルコフにおけるSNS議論を観察していると、人々はいかなる外国の侵略にも反対している。
西の国民は自らを進歩的、改革派と称する一方、東の国民のことを(ロシアに固執して)後ろ向きと馬鹿にする。
ゼレンスキーの大統領選の公約はわずか1601語で、さしたる政策は書かれていなかった。
彼が活用したのは51話からなる30分番組の放映だった。ウクライナの問題である国内分裂、オリガルヒ支配、政治家官僚の腐敗、ドンバス問題、マイダン革命、ウクロシア関係は、その番組では全く触れられなかった。対立問題に一つも触れないのだから、彼の話だけ聞いていると、あたかもウクライナが統一されており未来があるように思える。進歩、現代化、西欧化、文明、正常化といったキーワードが連呼されたが、実際には根拠がないことなので、すべてバーチャル(仮想)である。当選後に彼が実行した国営企業や国営地の払い下げ、労働者保護撤廃、労組の権利制限、公共料金の値上げなどを想定させる要素は一つも含まれていなかった。
(ゼレンスキー前の)マイダン革命直後の閣僚人事は、外国人支配だった。財務相は米国籍、経済貿易相はリトアニア国籍、厚生相はグルジア(ジョージア)国籍。2016年の厚生相代理は米国籍。政府と政府機関高官にも多くの外国人が配置された。これらはもちろんウクライナ人の意志ではなく、外国勢力の意志である。
ドネツク、ルガンスク地域におけるマイダン革命反対派は75%、クリミアにおけるマイダン支持派は20%。非常に多くのマイダン反対派がマイダン広場でデモを決行したことが国立社会学研究所に記録されているが、米欧報道は「マイダン革命はウクライナ人全員の意思表示である」という筋書きで押し通した。
ゼレンスキーはロシア侵攻の1年前から、左派系メディアを発禁処分し、開戦後は右派系メディア2社も禁止した。残ったメディアに対しては、政府公報を報じ続けることを義務づけた。2021年からは、国家安全保障防衛委員会The National Security and Defense Council (NSDC) が、反対派を粛正するのに活用された。裁判所でなくNSDCが有罪確定、資産没収を決めることは憲法違反であり、憲法裁判所は違憲判決を下したが、ゼレンスキーは違憲な判事解任して応じた。2022年3月には野党11党が禁止された。2021年6月だけで、NSDCは538個人と540法人に制裁を下した。スターリン時代を彷彿させる弾圧である。
2014年当時の元内務相顧問が運営するサイトMyrotvoretsで「非国民リスト」の住所氏名が公開されている。脅迫や暗殺の対象にされている。掲載されている人の多くが、国外に去った。暗殺者は知られているが、逮捕されない。今のウクライナは、ピノチェト施政を彷彿とさせる。
ゼレンスキー本人は、民族主義、国粋主義を主張したことはない。前任のポロシェンコが、ウクライナ語が堪能であることを公職に採用する条件とする言語法を提唱し、ゼレンスキーは反対表明した。しかし当選したゼレンスキーは、真っ先に言語法を成立させた。言うこととやることが違う。
またゼレンスキーは、過激派がどんな事件を起こしても起訴しない。その背景には、過激派が脅迫、暴力、暗殺で政治プロセスを乗っ取っていることがある。誰も反対することができない。
ゼレンスキーの話法は善悪二元対立で、自分は100%正しく、相手は100%悪いと単純化することが特徴。第2次イラク戦争時のブッシュの言葉「敵か味方か」と同じ。
東部地方の今後については、東の国民はロシア語を話し、マイダン革命に反対で、ロシアに親しみを感じているが、マイダン革命から既に8年経過している。今はロシア軍からも砲撃を受け複雑な気持ちになっている。私は現地の人々と意見交換を続けているが、年上の世代と年下の世代では受け止め方が異なる。最終的に土地の支配者がロシアになっても、うまくいくかどうか不明である。
The real Zelensky: from celebrity populist to unpopular Pinochet-style neoliberal
Natylie Baldwin·April 28, 2022
https://thegrayzone.com/2022/04/28/zelensky-celebrity-populist-pinochet-neoliberal/
ゼレンスキーの政権運営手法、反対派を排除・弾圧する手法は、イスラエルがパレスチナと向き合うときの基本的な思想、発する言葉、根拠となる法と関係する執行機関の過度に暴力的な対応がイスラエルとそっくりですね。固有名詞だけ置き換えれば、そのままパレスチナ問題の説明になりそう。
新聞でパレスチナ人、ムスリムの文字を見つけると間髪入れず「テロリスト!」と叫ぶ飯山陽と同じ。特定の情報をきれいに取り除けば、あら不思議、別のストーリーが出来上がる。その訓練、どこで受けたの?(笑)もうね、いい加減にしてください。
国土西端のウクライナ民族主義と東端のスラブ人という対比がよくなされるが、国民の大半は経済問題に関心がある。1991年にウクがロシアと政治的に離婚し独立したとき、皆が将来の経済的発展に期待した。しかし蓋を開けてみたら、新自由主義、市場経済、ソビエト時代の社会福祉システム破壊により、人々の経済状況は悪化した。ゼレンスキーが実行した土地改革(土地の私有化)には72%が反対。全ての改革は、ウクライナ国民のためでなく、外国のグローバル化勢力のためだった。
大統領当選時(2019年春)のゼレンスキー支持率は73%、ロシア侵攻直前の2022年1月の支持率は31%まで低下。ハルコフにおけるSNS議論を観察していると、人々はいかなる外国の侵略にも反対している。
西の国民は自らを進歩的、改革派と称する一方、東の国民のことを(ロシアに固執して)後ろ向きと馬鹿にする。
ゼレンスキーの大統領選の公約はわずか1601語で、さしたる政策は書かれていなかった。
彼が活用したのは51話からなる30分番組の放映だった。ウクライナの問題である国内分裂、オリガルヒ支配、政治家官僚の腐敗、ドンバス問題、マイダン革命、ウクロシア関係は、その番組では全く触れられなかった。対立問題に一つも触れないのだから、彼の話だけ聞いていると、あたかもウクライナが統一されており未来があるように思える。進歩、現代化、西欧化、文明、正常化といったキーワードが連呼されたが、実際には根拠がないことなので、すべてバーチャル(仮想)である。当選後に彼が実行した国営企業や国営地の払い下げ、労働者保護撤廃、労組の権利制限、公共料金の値上げなどを想定させる要素は一つも含まれていなかった。
(ゼレンスキー前の)マイダン革命直後の閣僚人事は、外国人支配だった。財務相は米国籍、経済貿易相はリトアニア国籍、厚生相はグルジア(ジョージア)国籍。2016年の厚生相代理は米国籍。政府と政府機関高官にも多くの外国人が配置された。これらはもちろんウクライナ人の意志ではなく、外国勢力の意志である。
ドネツク、ルガンスク地域におけるマイダン革命反対派は75%、クリミアにおけるマイダン支持派は20%。非常に多くのマイダン反対派がマイダン広場でデモを決行したことが国立社会学研究所に記録されているが、米欧報道は「マイダン革命はウクライナ人全員の意思表示である」という筋書きで押し通した。
ゼレンスキーはロシア侵攻の1年前から、左派系メディアを発禁処分し、開戦後は右派系メディア2社も禁止した。残ったメディアに対しては、政府公報を報じ続けることを義務づけた。2021年からは、国家安全保障防衛委員会The National Security and Defense Council (NSDC) が、反対派を粛正するのに活用された。裁判所でなくNSDCが有罪確定、資産没収を決めることは憲法違反であり、憲法裁判所は違憲判決を下したが、ゼレンスキーは違憲な判事解任して応じた。2022年3月には野党11党が禁止された。2021年6月だけで、NSDCは538個人と540法人に制裁を下した。スターリン時代を彷彿させる弾圧である。
2014年当時の元内務相顧問が運営するサイトMyrotvoretsで「非国民リスト」の住所氏名が公開されている。脅迫や暗殺の対象にされている。掲載されている人の多くが、国外に去った。暗殺者は知られているが、逮捕されない。今のウクライナは、ピノチェト施政を彷彿とさせる。
ゼレンスキー本人は、民族主義、国粋主義を主張したことはない。前任のポロシェンコが、ウクライナ語が堪能であることを公職に採用する条件とする言語法を提唱し、ゼレンスキーは反対表明した。しかし当選したゼレンスキーは、真っ先に言語法を成立させた。言うこととやることが違う。
またゼレンスキーは、過激派がどんな事件を起こしても起訴しない。その背景には、過激派が脅迫、暴力、暗殺で政治プロセスを乗っ取っていることがある。誰も反対することができない。
ゼレンスキーの話法は善悪二元対立で、自分は100%正しく、相手は100%悪いと単純化することが特徴。第2次イラク戦争時のブッシュの言葉「敵か味方か」と同じ。
東部地方の今後については、東の国民はロシア語を話し、マイダン革命に反対で、ロシアに親しみを感じているが、マイダン革命から既に8年経過している。今はロシア軍からも砲撃を受け複雑な気持ちになっている。私は現地の人々と意見交換を続けているが、年上の世代と年下の世代では受け止め方が異なる。最終的に土地の支配者がロシアになっても、うまくいくかどうか不明である。
The real Zelensky: from celebrity populist to unpopular Pinochet-style neoliberal
Natylie Baldwin·April 28, 2022
https://thegrayzone.com/2022/04/28/zelensky-celebrity-populist-pinochet-neoliberal/
ゼレンスキーの政権運営手法、反対派を排除・弾圧する手法は、イスラエルがパレスチナと向き合うときの基本的な思想、発する言葉、根拠となる法と関係する執行機関の過度に暴力的な対応がイスラエルとそっくりですね。固有名詞だけ置き換えれば、そのままパレスチナ問題の説明になりそう。
新聞でパレスチナ人、ムスリムの文字を見つけると間髪入れず「テロリスト!」と叫ぶ飯山陽と同じ。特定の情報をきれいに取り除けば、あら不思議、別のストーリーが出来上がる。その訓練、どこで受けたの?(笑)もうね、いい加減にしてください。
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