米国防大学上級研究員:自衛隊の常駐や監視強化を 尖閣

【私はこう見る 尖閣敗北】自衛隊の常駐や監視強化を 米国防大学上級研究員 ジェームズ・プリシュタップ氏 (1/2ページ)
2010.10.21 00:51

 日本があの時点で中国漁船の船長を釈放したことは中国への屈服にみえた。しかも菅直人政権は自らの責任を明確にせず、地方の検事にそれを負わせようとした。

 日本側は中国人船長をやがては釈放することは不可避だったにせよ、起訴までもっていくぐらいの一貫性と強固な姿勢がほしかった。

 中国側は異様なほど強硬な圧力戦術に出た。東シナ海のガス田での高姿勢、温家宝首相の威嚇的な言明、フジタ社員の拘束、レアアース(希土類)の輸出停止の構え、などなど、過去10年もの「平和的台頭」や「微笑外交」を自ら完全に否定する形となった。その高圧的な態度は醜いほどだった。この事実は米国側に対して中国という国家の真の性格を悪い方に印象づける結果となった。

 中国がいざという際には、こんな乱暴な出方をしてくるのでは米国としても日本との同盟を強化せざるをえないということだ。実際にオバマ政権ではバイデン副大統領が「米国の中国への政策は今後まず日本を経由せねばならない」と述べ、対日同盟の重要性を強調した。ゲーツ国防長官もマレン米軍統合参謀本部議長も日米安保条約が尖閣諸島に適用されることを明言し、日本への支持を鮮明にした。

 これらはみな中国の日本に対する脅迫めいた言動の結果だったといえる。 

 米国側からすれば今回の事態展開は中国がこれまでみせた柔和な顔が実は偽装であり、いざというときはすぐにビロードの手袋を脱いで、脅しに出てくることを証明したことになる。米国としては日中両国の領有権紛争自体には関与しないにせよ、日本との同盟を強化し、無謀な中国に直面することになる。日本の国民の大多数も与党議員まで含めて中国の言動に怒りを示し、菅政権を非難する姿勢をみせたことも米側としては重視せねばならない。

 中国はなぜこれほど強硬な対応をみせたのか。中国側のナショナリズム、あるいは共産党指導部内の権力争い、さらには人民解放軍の権力拡大などの理由が考えられる。

 日本側としては今後、尖閣諸島の保持には自衛隊を尖閣地域に常駐させることや監視を強めること、さらには米軍と合同での軍事演習を繰り返すことなどの手段が必要になるだろう。尖閣近くでの中国側の船舶の行動にはとくに注意して、侵入を許さないことが不可欠となる。    (談)

 ■ジェームズ・プリシュタップ氏 シカゴ大学で国際関係と日本研究で博士号取得後、米議会下院外交委員会民主党スタッフ、国務省政策企画局、国防総省アジア地域担当などを歴任した。東アジア、とくに日米の安全保障問題を専門とする。

"米国防大学上級研究員:自衛隊の常駐や監視強化を 尖閣" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント