【単刀直言】村上正邦元自民党参院議員会長「税めぐる迷走、だぶる橋本参院選」

【単刀直言】村上正邦元自民党参院議員会長「税めぐる迷走、だぶる橋本参院選」
産経2010.7.3 00:16

 今回の参院選は、所得税の恒久減税をめぐって、首相だった橋本龍太郎さんの発言が二転三転して負けた平成10年の参院選と、どうしてもだぶってみえるんですよ。

 鳩山由紀夫内閣は「普天間迷走」と言われたが、菅直人内閣はもう「消費税迷走」を始めている。小沢一郎民主党前幹事長と鳩山前首相の辞任で支持率がV字型回復したのに、消費税問題でぐーっと落ち込んできた。こんな形で増税を持ち出せば結果は決まってる。

 10年の参院選のとき私は参院幹事長で候補者の一人だった。街頭演説で税や景気対策について、幹事長だった加藤紘一さんら衆院執行部を批判したんだ。加藤さんと幹事長代理の野中広務さんは怒ってねえ、私を比例代表名簿から外す寸前までいった。

 結局、税の問題で自民党は負け、橋本さんは退陣した。今、菅首相が消費税を持ち出し、小沢さんが「まかりならん。絶対つぶす」みたいなことを言っている。私は、小沢さんは「政治とカネ」の問題の証人喚問に応じてから、潔く議員辞職すべきだとは思っているが、消費税の発言は彼しか言えないことでもある。

 首相たる者は、周到にバックグラウンドを作ってやらにゃいけませんよ。それなのに、税率も還付金の話もわけがわからない。

 改選される参院議員の任期は7月25日だった。なのに、潮の流れが有利なうちなら選挙に勝てるという人間の浅はかな知恵で国会を(6月16日に)閉じた。

 その翌日に菅首相は消費税をぶち上げたが、なんで国会を延長して予算委員会で堂々と議論しなかったのか。政治のおこりは、税金をどう公平に集めて使うかでしょう。政治の「イロハのイ」を無視して、王道を行かなかったところに問題がある。

 国民はバカじゃない。世論の流れは(政権にいる)人間の力では防げません。長く続く内閣ではないね。

 参院が本来の役割であるチェック機能を果たすには、参院選で衆参両院がねじれた方がいいね。

 私は国会の近くに事務所を構えているんですが、昨日、タクシーの運転手が「国会の前は腹が立つから通りたくない。料金はその分引くから遠回りさせてほしい」と言うんだ…。

 高級ホテルのような新しい議員会館がオープンし、6月30日には国会議員にボーナスが273万円も支給された。国家財政はますます悪化しているのに、国会議員にボーナスをもらう資格があるのかね。

 首相公邸だって、改装せずに前首相の時のまま使えばいい。菅さんは首相になってしばらく、ホテルニューオータニ住まいだった。それで「庶民宰相」と言えますか。

 私は参院に議席を置いたことのある者として、今、参院改革を声を大にして言いたい。候補者を見てごらん。公認してくれる党、当選できる党ならどこでもいいって人が多い。政策、理念がありますか。政党は票が取れることだけが基準で、著名人を立てる。

 野球や柔道の選手やプロレスラー、芸能人…。それに衆院の落選組。参院って何をやる院だよ。

 憲法を改正してでも、衆参両院の役割の仕分けが必要だ。衆院が予算なら、参院で前年度の決算を通してから衆院が予算の審議に入るようにしたらいい。会計検査院は参院の下で活躍してもらう。長い任期を生かして外交や防衛、教育などで優先権を持つ。政権や衆院を牽制(けんせい)するためにも参院から閣僚は出さない。

 こうやって役割分担をすれば、参院議員は今の半分で済むんですよ。

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