口蹄疫:赤松大臣が外遊してはいけなかった理由

エース級の種牛の殺処分を宮崎県が免除要請しているについて、テレビのニュース番組では、「東国原知事はなってない。さっさと殺処分しなさい」とこき下ろしているが、知事の説明を読むと納得できる。

家伝法及びガイドライン(東国原・宮崎県知事ブログ5月25日付け)
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 どうも、現行の法に忠実にということである。

 種雄牛49頭については、国はPCR検査・抗体検査等はしてくれないであろう。何故なら、疑似患畜同一農場と見なされているからである。そもそも、飼養管理者が同一の場合、農場が離れていても他の農場の牛豚も全て疑似患畜とされること自体が些か疑問である。

 民主党さんから口蹄疫特措法案が出されるらしい。恐らく、そういう認識の下であろう。

 そもそも、先月27日には、事業団内で肥育牛と種牛とは完全に分断・遮断し、ヒト・モノ・車等の出入りも完全に別々にし、別農場として対応して来た。だから、未だもって、種牛49頭には臨床症状は見られない。

 家畜改良事業団は、4月21日の時点で移動制限区域内に入り、家畜が動かせない中での苦肉の策であった。移動制限が掛かっていなければ直ぐにでも動かせた。

 勿論、憲法上の財産権との整合性もあるのだろうが、家伝法では、口蹄疫に関して誰も「殺処分」の命令権を有しない。殺処分を命ずることができるのは、他の家畜伝染病である。「と殺」に関しては、口蹄疫の場合、その義務を負うのは家畜の所有者である。

 「たられば」は無いかも知れないが、もし家伝法やガイドラインが、例えば、種牛に関してはPCRや抗体検査を十分にし、陰性と認められ、加えて清浄性の確保や受け入れ地の同意、受け入れ地の近隣に農場が無いこと等の要件を満たすことを条件として、移動を特例として認めていれば、今回の種雄牛の問題は無かった。

 細かい法規定・特例規定が無かったので、結果、特別に国と協議しなければならなかった。それには一定の時間が掛かった。

 新型インフルのときもそうであったが、空港や港で異常とも思われるくらい水際作戦を徹底したにも関わらず、ウィルスは国内に持ち込まれ、瞬く間に拡がった。

 決して諦めている訳ではないが、ウィルスとの闘いとはそういうものである。困難を極めるのである。

 家伝法に基づき、その防疫指針に則って、徹底した防疫対策を講じてもその蔓延が抑えられないことが、そのことを証明している。

 防疫措置には定評のある畜産試験場や原種豚センターもそうであるが、必死で防疫対策を施したが、それでもウィルスには勝てなかった。

 他に、家伝法の不備は、強制力や責任の所在及び補償等の問題である。また、自治法の法廷受託事務要件にまで遡及せざるを得ないことである。
 
 勿論、今は、拡大防止に全力を挙げ、一刻も早く口蹄疫が撲滅できるよう全力を傾注すべきである。そんなことは百も承知している。

 しかし、どうしても初動防疫やガイドラインの問題が話題の俎上に上る。

 余り、法の所為ばかりにしても仕方ないが、法律は一体、何のために、誰のためにあるのか?

 現行の法では、最早、個人や公の生命・財産は完全には守れないのか?

 本日までの新たな確認は7例、殺処分対象は1,023頭。いずれも児湯地区。これまでの疑似患畜・患畜は200例、殺処分対象145,358頭。

 ワクチン接種対象(結果殺処分)131,061頭。

  農場(敷地)が隣接し、下手すると例え軒を並べていても、同じ敷地内でなく飼養管理者が別なら、別農場と見なされる。それもおかしな話だと思う。何度も言うが、家伝法や防疫対策ガイドラインは現実や実情に合わない場合が多々ある。

農林水産省HPの記者会見ページで赤松大臣の会見を読むと、「ワクチンを打つだけなら政府が強制できるが、実際にワクチンを打つには民間の敷地に入らなければならない。地主に立ち入りを拒否されたらワクチンを打てない」という趣旨の発言があった。

一つひとつの作業手順に別の法律が絡んできて、スムーズに進まないのだろう。今回の騒ぎが収まったたら、法律とマニュアルをあちこち書き直さなければなりません。

だから赤松大臣は、発生初期に外遊してはいけなかったのです。
ま、携帯で会話して問題解決するなら別に構いませんが(笑)。

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