地方参政権:民団の綱領の特徴

比較対象とするため、海外の日本人会の会則を調べてみました。駐在員、外交官が主体の会では、どこの日本人会もだいたい共通しています。

(1)第一に、日本人同士の親善の場、生活情報を交換する場、余暇の遊び等を提供する場である。駐在員が多い土地では、これにビジネス交流が加わることも。

(2)現地の法律に基づく法人格を取得しているところも少なくない。

(3)現地に対する慈善活動に力を入れている。

(以下の引用部分では、会が会の内側に向けて行う活動については割愛。会が会の外側に向けて行う文言を抜粋。)

シンガポール日本人会
日本人会は、在留邦人に対する憩いの場、集いの場を提供するにとどまらず、日本人学校、日本人会クリニック、日本人墓地の運営・管理そして現地社会との交流といった、謂わばシンガポール在住の日本人社会が担うべき公の責務を果しています。また、チャリティ活動や文化活動を通じて日本とシンガポールとの友好と親善にも積極的に寄与しております。しかしながら、こうした役割を果たして行く為には、多くの企業とその駐在員の方々のご理解とご協力が必要です。

そのほかにも安心して暮らせる環境整備は日本人会の任務の一つと考え、日本人の治安・安全を確保する為警察や中央病院など等、シンガポールの関係当局・機関との緊密な関係維持・強化に努めています。特に日本企業におかれましては、当地で活動されている企業の社会的責任の一環として日本人会にご理解賜わりますようお願い申し上げます。

クアラルンプール日本人会
会員相互の親睦、互助を図り、日本とマレイシアの友好、親善促進に貢献する。・・・クラブは政治的、宗教的に偏らず、上記の目的を達成するため、次の各号の事業及び行為、その他、マレーシアの法律で許可される行為を行うことができるものとする。・・・慈善的、教育的、その他、クラブの活動にふさわしい目的のためマレイシアの福祉、慈善団体に対して寄付を行う

デリー日本人会
日印親善関係に対する寄与。・・・他の親善団体との交歓、親睦を図る。・・

シドニー日本人会
シドニー一円に住んでいる日本人および日系人による会員交流や社会貢献事業の実施・・・日豪経済・文化交流の推進

マドリード日本人会
日本人としての存在感を高めより現地社会に溶け込み、日西両国間の相互理解を深めながら、日本とスペインの友好協力関係を増進すること」を主旨



駐在員ではなく、日系移民の集まりではこんな感じです。

シカゴ日米協会
a not-for-profit, nonpartisan, nonpolitical association that "fosters understanding between our two cultures, to cultivate personal friendship between our two people."(日米2文化間の理解を育み、日米二国民の間の個人的な友好を深める)

米国には日系人の集まりが沢山ありますが、どこもこんな感じで、短くあっさりと書いてありました。

あれこれ斜め読みした範囲では、ブラジルにある移民を主体とした組織↓だけ、毛色の違ったことが書いてありました。「差別」という言葉こそ使っていませんが、「倫理、市民権及び社会正義の促進」という表現があります。きっと、いろんな問題があるのでしょう。それにしても書き方が穏やかです。「事実関係を調べ、現地社会と討論し、ともに解決策の案出に努める」とあります。また、前出の日本人会と同様に、現地社会との親善交流を重視しています。

ブラジル日本文化福祉協会
http://www.bunkyo.org.br/content/view/15/27/lang,ja/
ブラジルにおいて日本文化各面の保存及び普及を行い、ブラジル文化の向上に寄与する、・・・ブラジルにおける日本移民及び子孫の歴史、文化及び貢献の保存並びに価値認識に努める、・・・国内及び外国特に日本においてブラジル文化の普及を行い、ブラジルと日本の親善関係の強化を目的として、両国間の社会的文化的交流を推進する、・・・一般の利益に係わる社会・経済・政治上の各問題について調査及び討論を促進し、その解決策の案出に努める、・・・倫理、市民権及び社会正義の促進を目的とする活動を実施し、支援する、・・・同類諸団体間の交流並びにそれら団体と文協の交流を促し、奨励する、



次に民団の基本性格を読んでみます。
在日韓国人の自主団体
在日同胞が自己生存と権益保全のために自発的に作った団体であり、法律的には任意団体となります。

在日韓国人の大衆団体
特定範囲と特定人だけが参加する組織ではなく、在日韓国人であればどなたでも参加できる幅広い大衆組織です。

非営利的な公益団体
在日韓国人の法的、政治的、社会的権益を擁護し、民族教育と文化を向上する活動は特定個人や一部集団の営利でなく、在日韓国人全体のための営利をめざす組織です。

いきなり「権益保全」から始めてくれました(笑)。

「法的、政治的、社会的権益を擁護」を海外の日本人がやらないはずがありませんが、親睦組織である日本人会の活動にはなりえません。私がざっと探した範囲では、上記ブラジルだけでした。

日本人が権益を擁護したい場合は、案件ごとに問題点を整理した上で、大使館なり商工会(企業の集まり)を通じて現地政府に要望を申し入れます。

日韓の外交関係が正常化(1965年)する前ならともかく、正常化したあとは、権益を擁護する仕事は大使館に返上するのが筋です。いつまでも任意団体がしゃしゃり出てはいけない。

次に綱領に進みます。(リンク先のページ中程の表を参照しながら、読み進めていってください)

中央委員会の議論と決議を経ていない「新」を私たちが認めるわけにはいきませんが(笑)、とりあえず新旧両方とも読んでみましょう。

大韓民国の国是を遵守する。

初っぱなから「大韓民国の国是を遵守」と華々しく打ち上げてくれました(笑)。任意団体ですから、何を主張していただいても結構です。しかし、もし私たちが「日本国の国是を遵守する」というところから自己紹介を始める日本の任意団体と出会ったら、かなりの違和感を感ぜずにはいられません。

国是の定義についてですが、言葉いじりはどうでもいいです。要するに「韓国憲法の条文そのもの」および「韓国憲法の精神」ということです。

比較のため、前述のブラジル日本文化福祉協会の初っぱなを引用します。随分雰囲気が異なります。

「ブラジル日系社会の中心的機関として、ブラジル社会において日本文化の継承と普及を促進すると共に、日本においてはブラジル文化の紹介と普及に務め、その目的遂行のための活動を率先して、奨励し、支援する。 」

民団の綱領に戻ります。
在日同胞の権益を擁護する
(旧)在日韓国人の法的、政治的、社会的権益を擁護、日本社会と日本政府の差別政策を是正

(新)基本的人権に根ざした生活権を獲得し、守ります

これ、強烈です。今ある権益を擁護し、今ない権利は獲得し守るのです。その際、差別是正を叫ぶわけです。

まんまです(爆)。集団でおしかけてくる理由がわかりました。

在日同胞の経済発展をめざす、在日同胞の文化向上を図る

組織の内輪の話なので、どうぞご自由に。

世界平和と国際親善を図る
(旧)日本人と日本社会で共生共栄を実現し、海外韓民族とも紐帯を深め、国際化時代に能動的に対処する親善活動を強化していきます。

(新)韓日友好親善の架け橋的存在として「多文化共生」と「人権尊重」の理念で国際化時代に寄与していきます。

(旧)「共生共栄」、(新)「多文化共生」は、「単に在日が日本に存在すること」を意味しているだけで、日本社会との親善を意味していません。特に(旧)の文章の場合、親善する対象は世界に散らばる韓国系移民です。民団の視野から、日本社会との関係構築がすっぽり抜け落ちています。

総人口の97%を占める、巨大な日本社会との親善交流など考えておらず、頭の中は権利獲得のことで一杯。

何気ない作文に、民団の本心が表れているのでした(笑)。

綱領を読んでも、先日紹介した2010年度の活動方針を読んでも、民団HPで検索してみても、日本の政治に口を出す話題と、在日のグループが内輪で何かをするという話題ばかりです。



ここで、民団の特徴を私なりにまとめてみます。

すべてに優先して韓国憲法の遵守が第一。

民団も沢山寄付をしていますが、民団の寄付は身内相手ばかりで、現地社会に対する慈善活動、チャリティーという単語が見あたらない。直接身内の利益にならない対外活動をする、広い心を持って内から外へ一方的な拠出をするという発想は持ち合わせていないようです。対現地の慈善活動を重視している日本人会とはかなり違う。

日々の活動は政治偏重。今ある在日の権益を擁護し、今ない権利は獲得し守る。その際、差別是正を叫ぶ。

民団にとり、日本国憲法・法律は尊重する対象ではなく、いじる対象です。「俺のものは俺のもの。お前のものも俺のもの。チャリティー無し」という論理構成。だから外国籍のくせに、住民税を半分しか納めていないくせに、地方の役所、議会から国会まで集団で押しかけるわけです。日本人会とは随分違います。おー恐。

日本全国の役所と議会に毎日働きかけをする要員を配置し、議論の方向を僅か1日で逆転させることができるほどの影響力を有している。

参政権を持っていなくたって、これだけの政治力を行使できる。こんな連中に参政権を与えたら、私たちはどうされてしまうのでしょうか。おー恐。

2010年度の活動方針には、民団が日本でこれから行う政治課題がずらりと並んでいます。海外の日本人会が、現地の法律・慣習を尊重することを当たり前のこととし、社会文化活動に専念し、政治活動からは距離を置いているのと対照的です。

「現地の法律・慣習を尊重する」ことの意味は、「そのまま受け入れる」ということです。日本国籍が海外で現地の法律をいじくったら、内政干渉になります。日本国籍は、そんな大胆不敵なことはいたしません。

民団は、現地社会と現地政府に対し非常に好戦的です。



他に気になった点が3つあります。

第1点は「任意団体」という単語。趣味の会などを任意団体といいます。何らかの法律に基づいて設立された法人ではないから、任意団体。

外国籍の民団幹部が私たちの議会に毎日いりびたって政治活動をしているのに、任意団体。

米国でユダヤ人が大小様々な団体を作って政治活動していますが、あの人たちは米国籍です。民団の場合は外国籍。

第2点は、民団が代行している領事業務

というのは、純粋な任意団体ならば、何かあったときに警察が内部に立ち入ることができますが、民団の場合は「日本のおまわりが大韓民国の領事業務を妨害した」と指摘されたら、ちょっと面倒なことになりそうです。民団の敷地建物のうち、少なくとも領事業務エリアは治外法権になるはずですから。

任意団体の内部に治外法権エリアがある。純粋な任意団体ではない。これでは、何かがあったときでも、警察は立ち入りを躊躇しそうです。すると、治外法権エリアでないエリアも事実上、治外法権になってしまう。どのように処理されているのか興味があるところです。

第3点ですが、任意団体ですと、毎年の会計処理にいろんな問題がありそうです。法人向けの節税策が使えません。土地建物の権利関係もぐちゃぐちゃだろうな。個人資産を、善意で民団に使わせてあげているケースは普通にあるだろう。在日1世、2世が死んだ後の相続で、3世が民団に過去の家賃支払いを要求したとか、立ち退きを要求したとか、民団が知らない間に土地建物が第三者に売却されてしまいましたとか。

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