在日ウイグル人、安住の地求めトルコへ 弾圧の不安拡大
在日ウイグル人、安住の地求めトルコへ 弾圧の不安拡大
2010年1月26日8時12分
中国から来日し、医療を学んでいたウイグル人男性が24日、家族を連れてトルコに旅立った。昨年7月の中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区での騒乱をめぐり、ウイグル人を弾圧した中国への絶望と、有効な手を打ってくれない日本や欧米諸国への不信を深めた。多くの在日ウイグル人が、同胞も多いトルコに安住の地を求め始めている。
「きっとまた弾圧があるだろう。医者として故郷に帰る夢は捨てた」
8年前、先端医療を学ぶために来日した30代の男性は24日朝、妻と日本で生まれた2人の子を連れ、成田空港からイスタンブール行きの飛行機に乗った。
医師免許を取って日本にとどまる道を考えたが、「旅券やビザが切れて強制送還される不安を抱えながら勉強を続ける余裕はない」と断念。「トルコは文化が近いし、旅券が切れても追い返されないらしい」と、ためらう妻を説得した。
中部地方の研究機関で働いていた男性も、昨年12月にトルコへ向かった。昨年、ウイグル人への弾圧に対する中国政府への抗議デモに参加してから、街で中国語を耳にするだけで「監視されている」とおびえるようになった。日本も信用できないという。「日本と中国は犯罪捜査でも協力する関係だから」
騒乱以降、在日ウイグル人が中国大使館で旅券の更新を申請しても、数カ月放置されて失効する例が相次いだ。大使館は「新疆の地元機関で照合作業が遅れている。騒乱とは関係ない」としているが、在日ウイグル人の間には不安が広がった。4カ月待たされた都内の女性は「身内に騒乱にかかわった人物がいないか調べられたのだろう」と話す。
日本に住むウイグル人は約1千人で、中国籍のまま暮らす若者が多い。多くは将来の帰国を考えて政府批判には加わらなかったが、中国では伝わらない騒乱の映像や情報に触れ、「同胞が抑圧される現実を知ってしまった」(20代留学生)などと進路に悩む人が少なくない。
ウイグル人がトルコを目指すのは、同じイスラム圏で同胞の亡命を受け入れてきた歴史があるうえ、騒乱直後、日本や欧米諸国が中国批判を手控えるなか、首相自ら「ジェノサイド(集団殺害)だ」と糾弾するなど反発を示したからだ。多くの在日ウイグル人が今、トルコを頼りにして移住を考え始めているという。
日本で難民申請をする道もあるが、日本は2005年の法改正で難民認定や人道配慮による滞在許可が急増したものの、大半は軍事政権のミャンマー(ビルマ)から逃れてきた人たちだ。
昨年、中国政府が騒乱の「首謀者」と名指しするラビア・カーディル氏が来日した際に協力した会社員の30代男性も、日本国籍を取る手続きを進めつつ、トルコへの移住を妻と話し合っている。
男性は「日本政府を信じたいが、難民受け入れに消極的な印象が強い。特に中国とは関係が深いだけに不安だ」と話した。
2010年1月26日8時12分
中国から来日し、医療を学んでいたウイグル人男性が24日、家族を連れてトルコに旅立った。昨年7月の中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区での騒乱をめぐり、ウイグル人を弾圧した中国への絶望と、有効な手を打ってくれない日本や欧米諸国への不信を深めた。多くの在日ウイグル人が、同胞も多いトルコに安住の地を求め始めている。
「きっとまた弾圧があるだろう。医者として故郷に帰る夢は捨てた」
8年前、先端医療を学ぶために来日した30代の男性は24日朝、妻と日本で生まれた2人の子を連れ、成田空港からイスタンブール行きの飛行機に乗った。
医師免許を取って日本にとどまる道を考えたが、「旅券やビザが切れて強制送還される不安を抱えながら勉強を続ける余裕はない」と断念。「トルコは文化が近いし、旅券が切れても追い返されないらしい」と、ためらう妻を説得した。
中部地方の研究機関で働いていた男性も、昨年12月にトルコへ向かった。昨年、ウイグル人への弾圧に対する中国政府への抗議デモに参加してから、街で中国語を耳にするだけで「監視されている」とおびえるようになった。日本も信用できないという。「日本と中国は犯罪捜査でも協力する関係だから」
騒乱以降、在日ウイグル人が中国大使館で旅券の更新を申請しても、数カ月放置されて失効する例が相次いだ。大使館は「新疆の地元機関で照合作業が遅れている。騒乱とは関係ない」としているが、在日ウイグル人の間には不安が広がった。4カ月待たされた都内の女性は「身内に騒乱にかかわった人物がいないか調べられたのだろう」と話す。
日本に住むウイグル人は約1千人で、中国籍のまま暮らす若者が多い。多くは将来の帰国を考えて政府批判には加わらなかったが、中国では伝わらない騒乱の映像や情報に触れ、「同胞が抑圧される現実を知ってしまった」(20代留学生)などと進路に悩む人が少なくない。
ウイグル人がトルコを目指すのは、同じイスラム圏で同胞の亡命を受け入れてきた歴史があるうえ、騒乱直後、日本や欧米諸国が中国批判を手控えるなか、首相自ら「ジェノサイド(集団殺害)だ」と糾弾するなど反発を示したからだ。多くの在日ウイグル人が今、トルコを頼りにして移住を考え始めているという。
日本で難民申請をする道もあるが、日本は2005年の法改正で難民認定や人道配慮による滞在許可が急増したものの、大半は軍事政権のミャンマー(ビルマ)から逃れてきた人たちだ。
昨年、中国政府が騒乱の「首謀者」と名指しするラビア・カーディル氏が来日した際に協力した会社員の30代男性も、日本国籍を取る手続きを進めつつ、トルコへの移住を妻と話し合っている。
男性は「日本政府を信じたいが、難民受け入れに消極的な印象が強い。特に中国とは関係が深いだけに不安だ」と話した。
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